「犯人を撮影すると・・」「子どもの噂で・・」
毎月一回、スタジオに法律のプロをお招きして、
身近に起きる様々なトラブルについてのお悩みを解決していきます。
私たちの疑問に答えてくれるのは「弁護士法人アディーレ法律事務所」松澤浩幸(まつざわひろゆき)弁護士です。
ケース①「襲ってきた犯人を撮影すると違法?」
Q. 怪しい男性につけられる女性。万が一、変質者から襲われた場合、
写真や動画で相手を撮影すると、裁判などで証拠として使えますでしょうか?
①:使える ②:使えない
正解は…①:使える
(松澤弁護士)
刑事裁判では、「違法収集証拠排除法則」というルールがあり、
違法に収集された証拠は使えないとされています。
他人から無断で写真を撮られたり、その写真を利用されたりしない権利として、
いわゆる「肖像権」という権利が憲法上認められます。
無断で撮影された写真は「肖像権」を侵害するため違法であり、
刑事裁判で証拠として使えないという主張が有りえます。
Q.今回のケースでは“肖像権侵害”にはならないんですか?
(松澤弁護士)
はい。本件では、公道で後をつけられた怪しい男性を、
自分の身を守るために撮影したということですから、
その撮影の目的も正当で撮影方法にも問題はありませんので、
肖像権侵害とは言えないでしょう。
もし、これが全く逆で、後をつけている怪しい男性が、
わいせつ目的で撮影したということであれば「肖像権侵害」です。
ただ、本件のような事案では、被害を受けたことの後を考えて
写真を撮影して証拠を残すことを考えるべきではなく、
まずは自身の身を守ることが最優先だと思います。
撮影がうまくいく可能性も低いと思いますので、
証拠確保よりも被害予防を優先すべきでしょう。
ケース②「嘘のウワサを流した子どもを訴えられる?」
Q. お母さんの子どもの友だちがウソのウワサを流して、生活を脅かされました。
相手は6歳の子ども。訴えることはできるのでしょうか?
①:訴えられる ②:訴えられない
正解は…②:訴えられない
(松澤弁護士)
6歳の子どもを裁判で訴えることはできず、
子どもの親権者である両親に対して請求すべきとされています。
(松澤弁護士)
「不倫をしている」と噂を流す行為は、
『人の社会的評価を低下させる事実の流布』ですので、
名誉毀損(民法709条の不法行為)にあたります。
したがって、不法行為に基づき、
これによって被った精神的苦痛につき、慰謝料請求が可能です。
Q.でも、子どもを訴えられないのは、ナゼなんですか?
(松澤弁護士)
不法行為による賠償責任を問うためには、
自分の行為の責任を認識する能力(責任能力)が必要です。
民法上の責任能力は、およそ12歳前後が目安になるとされていますので、
今回の6歳のケースでは、そのお子さんに「慰謝料を払え」と言うわけにはいきません。
「慰謝料」の意味も理解できないでしょう。
Q.では、なぜ両親に?
(松澤弁護士)
この場合、お子さんの両親が“子どもの監督不足”ということで、
いわば、子どもに代わって慰謝料の支払い義務を負うことになります。
このように、子どもに責任能力がない場合は、
基本的には親権者である両親が責任を負います。
もちろん、本件は裁判にするような事案ではないので、
双方話し合って解決策を模索するということになるでしょう。
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