石川県加賀市の海岸沿いには、藩政時代から植えられたクロマツの防砂林が4キロも続きます。
この松林は多くの恵みをもたらし、枯れた松葉は「こっさ」と呼ばれ燃料に使われてきました。
今でもこっさを集めるのは、この地域で生まれ育った松中滋さん(75)。
枯れた松葉は油分を含むため強い火力があり、
2升のごはんがわずか13分で炊き上がります。
米のうまみが濃縮されたこのごはんを、松中さんはおむすびにして販売しています。
子どもたちに出したところ、おいしい、おいしいと
食べてくれる姿が忘れられず60を越えて店を始めました。
地域の歴史がふるさとの味とともに受け継がれていきます。