気持ちよく刻まれるノミのリズム。木の表面に手仕事の跡が刻まれていきます。
そんな素朴な木の表情をそのまま生かした我谷盆。
今はダムの底に沈んだ石川県加賀市山中温泉我谷町の工芸品。
良質なクリの木が取れるこの土地で、大工が冬場の仕事にしていました。
しかし、我谷盆の作り手はいなくなり、継承が途絶えていました。
そんななか我谷盆の復興を目指し、後継者を増やそうと活動を続ける木工家の森口信一さん。
20年前、自分の作品が我谷盆に似ていると言われことがきっかけでした。
1度は途絶えたノミ音が、またこの地に響き渡っています。