放送日:2018年8月18日
奥能登のあごだし
能登半島の最北端に位置する石川県珠洲市。
昔から半農半漁の暮らしをしていて、初夏には海でトビウオを取り
暑い最中に囲炉裏で炙って居間の長押に刺して乾燥し、
お盆やお正月などハレの日の御馳走用に
各家庭であごだしを作るのが初夏の手仕事の一つだった。
しかし、生活様式や住まいの形も変わり、そんな光景も見ることができなくなった。
そんな中、大切な故郷の味と記憶を後世に伝えようと、
15年前に地域の女性グループ「長手崎すいせん工房」があごだしを作り始めた。
作業は、トビウオに脂がのる前の6月初旬から7月中旬までの1か月半が勝負。
ほぼ毎日集まり、地元の魚、地元特産の珪藻土のコンロと炭を使い
こだわりのあごだしを作っている。
平均年齢は、およそ80歳で夏場の作業は体に堪えるが、
それでも故郷の味を守ろうと奮闘する女性たちを紹介する。