この秋、シリーズで紹介してきた「石川の巨匠たち」
最終回は文化勲章の受章者、陶芸家の大樋陶冶斎さん(90歳)に迫ります。
藩政時代に加賀百万石の金沢で、茶の湯の道具として誕生した「大樋焼」
手とヘラだけで作る素朴な形と、ねっとりとした飴色が特徴です。
大樋さんは十代長左衛門として、350年の伝統を受け継ぐとともに
前衛的なデザインにも挑み、これまでにない器を多く生み出してきました。
そこには、時代を読み、変化し続けることで
大樋焼を次の世代に繋いで来た先人たちへの思いがありました。
「今、生きている証として何をするべきか」
そう自問自答しながら、器づくりに向き合う90歳の姿を追いました。