放送日:2022年12月3日
歴史と地震を乗り越えて 珠洲焼
釉薬を使わず高温で焼き締めて作る珠洲焼。灰黒色の落ち着いた美しさがあります。
中世には全国で使われていましたが、15世紀、こつ然とその姿を消します。
復活したのは、500年後の昭和後期。地域の人たちの強い願いでした。
その立役者の1人、珠洲焼作家の篠原敬さん。
「珠洲焼が隆盛を誇ったころの珠洲をイメージすると、とてもワクワクするんですよ。
今でこそ過疎だ、高齢化だ、産業がないとかマイナスイメージばっかりでしょ。
地方の都市というのは珠洲に限らず。ちょっとそれは今の時代であって、
少しさかのぼれば、珠洲焼を中心にこの地域が光を浴びていた時期が
あったと思うんですね。それを思うだけでここに生まれてよかったなと思いますし、
そういう心のよりどころでもあります。」
珠洲焼が復興し半世紀、大きな災いが降りかかります。
ことし6月に起きた震度6弱の地震です。珠洲市で割れた作品は全部で千点以上、
命とも言える窯もひび割れ使えなくなってしまいました。
しかし、一歩一歩、確実に珠洲焼の復旧は進んでいます。