石川テレビ

放送日:2022年2月19日

漆の軌跡を 塗師・山谷尚敏

漆器の仕上げの塗りを行う職人「塗師(ぬし)」。
石川県の山中塗でその塗師を長年務める山谷尚敏さんは、
「水と空気以外は漆を塗る」と掲げ、さまざまな物に漆を塗ってきました。
山谷さんの究極の作品、その材料は漆だけです。
漆に漆を塗っては固め、塗っては固めを繰り返し、素材を作り上げます。
短くても数年、長くて10年以上かけて作り上げる漆の層。
数センチの厚さになるまで5年はかかります。
塗るたびに色を変えることで表情が生まれ、
これを磨き上げると独自の文様が生まれてきます。
堆漆(ついしつ)と呼ばれる漆の技。
漆を塗った軌跡を見せる塗師。
塗りを極めた山谷さんの作品は、
塗った漆の歴史を掘り起こすことで生まれています。