石川テレビ

放送日:2022年5月7日

アロマで森を育む蒸留技師

小さじ一杯とるのに2キロもの木片や葉が必要な揮発性の油。エッセンシャルオイルと呼ばれ、アロマテラピーなどに使われています。
10年前、石川県にもどり蒸留技師として活躍する大本健太郎さん(44)。
海外産がほとんどのエッセンシャルオイル。日本ならではのものを作ろうと活動してきました。そこで目をつけたのが今、危機に瀕する日本の森です。
木材価格が下落し、手入れがされなくなり荒れ始めています。
これまで使われていなかったスギの葉や、伐採のときじゃまになる低木のクロモジなどをアロマに変え、利益を出すことで森の管理や再生に利用しています。森の香りが濃縮された貴重なオイルで、大本さんは、山を豊かにし世界に誇れる森林を目指しています。

放送日:2022年4月2日

石川の手しごと 檜細工に思いをはせて

オーストラリア出身で、白山麓に伝わる檜細工の作家スーザン・マリーさん(29)。

7年前、交換留学で来日。伝統工芸の体験イベントで檜細工に魅了される一方で高齢化で技術を伝える後継者が少なくなっていることを知り、伝統工芸士の香月久代さんにその技術を学びました。

江戸時代初期から旧尾口村深瀬集落で編まれていた檜細工は、ヒンナと呼ばれる薄く削ったヒノキの板を編んで作ります。檜笠が有名ですが、スーザンさんは、クリエイティブな発想で、アクセサリーや華やかなバッグなど、これまでになかった新しい分野にも挑戦。

イベントでの販売や、SNSでの情報発信も積極的に行っています。これからも色々なものを試しながら檜細工の可能性を見出したいと話します。

放送日:2022年3月12日

脇役たれ 陶芸・マイケル ケリー

淡くにじんだ呉須の線。薄く作られた磁器は光を通し、
はかない美しさが宿ります。これらの作品を生み出したのは、アメリカ人のマイケル・ケリーさん。
日本の陶芸に魅了され石川県で20年にわたり器を作り続けています。
「日本の焼き物って渋めのものが多くて、存在感をそんなにはっきりさせない。
料理の方を生かすためにあるもので、
常に脇役ですけど主役を引き立たせるというか・・・
そういうことをどんどん目指していきたいなと思っています。」
日本の陶芸と出会い自分の中に見つけた和の心。
脇役に徹し主役を引き立てるのが、ケリーさんの目指す陶芸の道です。

放送日:2022年3月5日

「100の事業で稼げる里山に」

疎化が進む里山、
仕事はありますが1つだけで食べて行くには厳しい状況です。
この問題を解決したいと5年前、
石川県白山市木滑(きなめり)で会社を立ち上げた有本勲さん。(38)
1つでダメならいくつもの事業を組み合わせることで、
夏や冬にしかできない仕事の掛け持ちや、相乗効果、経営の効率化などで
ビジネスとして成立するのではないかと里山の総合会社「山立会」を作ります。
現在は、ナメコの栽培や、ヒツジの飼育、食堂の経営、野生動物の調査管理、
ジビエの加工や販売、山菜の栽培などの事業を行っています。
20年後には、全国の里山で100の事業を展開し
楽しくて稼げる里山に変えようとしています。

放送日:2022年2月19日

漆の軌跡を 塗師・山谷尚敏

漆器の仕上げの塗りを行う職人「塗師(ぬし)」。
石川県の山中塗でその塗師を長年務める山谷尚敏さんは、
「水と空気以外は漆を塗る」と掲げ、さまざまな物に漆を塗ってきました。
山谷さんの究極の作品、その材料は漆だけです。
漆に漆を塗っては固め、塗っては固めを繰り返し、素材を作り上げます。
短くても数年、長くて10年以上かけて作り上げる漆の層。
数センチの厚さになるまで5年はかかります。
塗るたびに色を変えることで表情が生まれ、
これを磨き上げると独自の文様が生まれてきます。
堆漆(ついしつ)と呼ばれる漆の技。
漆を塗った軌跡を見せる塗師。
塗りを極めた山谷さんの作品は、
塗った漆の歴史を掘り起こすことで生まれています。