石川テレビ

放送日:2021年4月10日

常識に穴を 九谷焼・田畑奈央人

ぬめりとした質感、骨格を支える筋肉の張り。
リアルな造形の生き物たち。石川県の伝統工芸、
九谷焼の作品です。作っているのは田畑奈央人さん(52)。
弁護士を夢みて司法試験の合格を目指していましたが、
その道は険しく35歳のとき、
趣味で始めた陶芸の世界に足を踏み入れます。

焼き物の世界ではこんな常識がありました。
”複雑な形のモノは割れて仕事にならない”
そんなことを知らない田畑さんはリアルな造形に挑戦します。
知らなかったからこそ、九谷焼の伝統に新しい風が吹き込んだのです。

放送日:2021年4月3日

由緒ある情熱の象徴・木製リトプレス機

金沢美術工芸大学の版画印刷室にある木製リトプレス機は
全長約3m、総重量約500kgと重厚なものです。

このプレス機はかつてマティスやピカソ、シャガールといった
有名な作家が出入りしたフランス、パリのムルロ版画工房の仲介で
日本にやってきました。

150年以上前に製造されたであろうプレス機、
今もヨーロッパから遠く離れた私たちのふるさとで
作品を生み出し続けています。

放送日:2021年3月27日

わからないが楽しい ギター製作家

ナイロンの弦を張り、
多彩な音色を生み出すクラシックギター。
その製作を、石川県で唯一行う近信濃(こんしなの)さん。
師匠はいません。大学生のころ独学で
本や辞書を片手に作り始めたのです。
思うような音が出ないとき、自分自身で
部品1つ1つの意味を見いだしその技量を高めていきます。

そして30年以上の歳月が流れます。
近さんは会社員を辞めギター作りで独立。
プロの奏者も扱う完成度まで高めていました。
あまたの疑問に、自分だけの答えを与えてきた
唯一無二のクラッシックギターです。

放送日:2021年3月13日

日本酒は 萬(よろず)の興を添ふるわざなり

目の前に差し出される一杯の日本酒。
温度や器、食事、季節や同席する人などにより味わいも変わってきます。
普段はあまり意識しない「酒を飲む」というおこなひ。
その道をいつかは極めたいと精進する人がいます。
石川県加賀市の温泉地で、日本酒のバーを営んでいる下木雄介さん。

季節の移ろいや風を感じるため店を開ける前に行うのは、神社への参拝です。
また、それぞれの酒にあった器を作るため山中漆器や九谷焼、ガラスの作家とともに探求しています。
そして、造り手の思いを感じるため蔵元に頻繁に足を運び仕込み具合などを確かめています。
そんな心の入った一杯には、季節の移ろいや人情までもが溶け込んでいます。

※「萬の興を添ふるわざなり」徒然草175段より

放送日:2021年2月27日

美と科学 中谷宇吉郎 雪の科学館

「雪は 天から送られた 手紙である」
雪を顕微鏡でのぞくと、そこにはさまざまな結晶が。
実はその形や模様を見ると、天空の様子、湿度や気温などが分かるのです。
およそ90年前、世界で初めて雪の結晶を人工的に作り出し、
「雪は天からの手紙」だと暴いたのが、石川県生まれの中谷宇吉郎です。

生誕の地には、彼の名を冠した科学館が建てられています。
ここの見どころはさまざまな実験。忘れてほしくないのは、その感動です。
雪の美しさに心を揺さぶられ、世界的な研究をなしとげた中谷宇吉郎。
自然の中に潜む まか不思議な現象を身近に教えてくれる場所です。