スタジオに、法律のプロ「アディーレ法律事務所」 正木 裕美弁護士をお招きして、身近に起きる様々なトラブルについてお聞きしました。
ケース1「思いがけない立ち退き要求」
Q. 大家さんから息子が帰ってくることを理由にマンションの契約更新を断られた男性。
6か月前に立ち退き要求があった今回の場合、契約更新はできるのでしょうか?
正解は…更新できる
まず、建物の賃貸借契約では、大家さん、つまり貸主が契約更新を拒絶する場合、「正当事由」(借地借家法28条)が必要とされています。
◇きちんとした理由ということですね。判断基準とかあるんですか?
そうですね。貸主側と借主側において、建物を使用する必要性がどの程度あるかという点が最も重要な要素となりますが、他にも、これまでの建物の使い方、家賃の滞納状況や建物の老朽化の度合いのほか、いわゆる立退料の額の大小などの事情を踏まえ、賃主と借主の利益と不利益を総合的に考慮して、正当事由の有無が判断されます。
◇それなりの事情が必要なんですね。今回はどうなんでしょう?
先ほど言った細かい事情次第なところはありますが、少なくとも「息子が帰ってくる」というだけでは正当事由があるとはいえないでしょうね。
ケース2「おどされて口止め料」
Q. 相手に脅されて口止め料としてお金を要求されました。
脅されたほうも同意してしまいお金を払ったが、相手は罪に問われないのでしょうか?
正解は…罪に問われる
これはもう典型的な恐喝で、「恐喝罪」(刑法250条)に該当します。
恐喝とは、財産や財産上の利益を交付させる手段として行われる暴行・脅迫で、被害者の反抗を抑圧するに至らない程度のものをいうのですが、知られたくない秘密を他の人に暴露するということを伝えることは「脅迫」に該当します。
また、「恐喝罪」の成立には、怖がらせた結果として、被害者の意思に基づいて財産または財産上の利益を相手方に移転させることが必要です。
◇お金を払ったほうも、今回同意していることに関しては…?
今回は秘密をばらされたくはないという思いから無理やり同意させられているのであり、本人が心から同意しているわけではありません。
「恐喝罪」はそのような同意を利用して、相手からお金などの財産を受け取る行為を罰することを目的としているので、当然に「恐喝罪」が成立します。
ケース3「共有の備品を壊したら…」
Q. 会社内で共有しているコーヒーメーカー、つまり備品を壊してしまった場合、修理代を支払わないといけないのでしょうか?
正解は…支払わなくてよい
状況にもよりますが、基本的には修理代を払う必要はありません。
今回は、ポットを社員の皆さんが購入する際に、破損した際の何らかの取り決めを交わしていないという前提で話を進めます。
社員で共有しているということは、法律的には、社員1人1人が、ポットの細分化された所有権をそれぞれ持っている、という状況になります(民法249条)。
共有のポットを壊すことは、たとえ、その一部を自分が所有しているとしても、他人の所有権を踏みにじる行為なので、損害賠償の責任を負うことになります。
◇じゃあ、弁償しなければいけないのでは?
当然、わざと壊した場合は「器物損壊罪」等の罪に問われることになります。
しかし、今回は、調子が悪く壊れかけていたポットが、たまたま男性が使っていたときに壊れてしまっただけだとすると、男性に「ミスがあったとは言い難く」過失があるとも言えませんので、男性は損害賠償責任を負わず、
弁償する必要もありません。
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