石川テレビ 8ch

リフレッシュ法律相談室

9月の法律相談室①

放送日:09月11日(金)

150911hoiritu1 スタジオに、法律のプロ「アディーレ法律事務所」 正木 裕美弁護士をお招きして、身近に起きる様々なトラブルについてお聞きしました。



ケース①「旅館に預けていた荷物が…」

Q. 男性は旅先で旅館に宿泊。すると帰るとき、部屋に置いていた荷物が無くなっていました。これって旅館に対して損害賠償請求はできますか?

正解は… ①:請求できる

まず法律では、「旅館側の不注意によってお客さんのものが壊れたり紛失した場合には、旅館が預かっていない物であっても旅館はお客さんに対してその損害を賠償する責任を負う」と定めています。
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Q.金額関係なく全部弁償してもらえるってこと?
いえ、その旅館と宿泊者の取り決め「宿泊約款(やっかん)」に原則従うことになります。
「宿泊約款」とは、旅館側が定めた宿泊に関する契約条件を書いたもので、だいたいは部屋に置かれているファイルの中などにありますね。
ほとんどの旅館は宿泊約款で損害賠償の上限金額を設けています。
「上限5万円を限度として損害を賠償します」などです。
なので、部屋に置いておいた荷物の紛失について、仮に旅館側に不注意があった場合でも、損害の全額を補てんしてもらえない可能性もあります。

Q.旅館側のミスで盗まれた時も、上限までしか請求できないの?
約款の定めがあっても、「旅館側に故意、重過失がある場合には、約款で定めた上限を超える部分についても損害賠償をすべき」という裁判例もあります。
例えば、従業員が「掃除をするために荷物を運んでいる際に紛失した」「荷物を移動中、放置していたために盗まれた」というような事情があれば、上限金額に関わらず、無くなった荷物の金額全額を請求できる可能性が高いでしょう。
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ケース②「漏れた社外秘の資料」
Q. 男性サラリーマンが社外秘の資料を間違って、取引先に送ってしまいました。
これって情報漏えいなどで罪に問われるのでしょうか?

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正解は… ②:罪に問われない


通常であれば罪には問われません。
「不正競争防止法」では、営業秘密を不正な方法で取得したり、第三者に開示したり、利用したりする行為を禁止しています。

Q.営業秘密に基準とかあるの?

営業秘密というのは
①秘密として管理されていること
②有用な情報であること
③公然と知られていないこと
の3つの要件を満たす技術上、営業上の情報の事を言い、通常、社外秘の資料というのはこれらの条件を満たしている事がほとんどかと思います。
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そのため、今回も、社外秘の資料を外部に漏らしてしまったことから、処罰されるのではないかと考えられますが、この不正競争防止法で処罰されるのは、「不正の利益を得る目的」又は「その保有者に損害を加える目的」で営業秘密を開示する場合とされています。
ですので、今回のように、このような目的でわざと漏らしたわけではなく、誤って漏らしてしまったという場合は罪にはなりません。

Q.会社に被害が出ても罪にならないの?

社外秘の情報を漏らしてしまったことにより、会社に何か被害が出てしまった場合は、会社からの損害賠償請求や懲戒解雇を言い渡されてしまう可能性もゼロではありません。社外秘の扱いには、十分注意しましょう。

ケース③「示談のあとの後遺症」
Q. 男性が交通事故で示談にした数日後、相手の被害者が後遺症が出てきたと言ってきました。
これってさらに払わなければいけないのでしょうか?

正解は… ②:払わなくてよい

通常、示談はその時点に存在するすべての事情を含めて「これで終わり」とするための行為です。
もし、示談の時にわかっていた事情であれば、後から蒸し返すことはできません。

Q.示談のあと、後遺症が発生しても自腹ということ?

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基本的にはそうですね。
今回のご質問のように、示談の時に予測不可能だった後遺症が発生した場合には「損害賠償を別途請求できる」とした最高裁判所の判例もなくはないですが、これは極めて例外的な事例ですので、そう簡単に示談の内容をひっくり返すことはできないと考えておいた方が無難ですね。

Q.示談というのは、本当は全部治療が終わった後の方が良いのですか?

そうですね。
治療費や入通院慰謝料等の損害は日々発生し続けるため、治療が終わるまで損害額の全体がわかりませんので、通常は治療が全て終わってから示談ですね。
ただ、経済的に苦しくて治療費や休業損害がすぐに支払われないと来月の家賃が払えないとか、ローンの返済が遅れるといった場合もあります。
そういうときは、正式な示談の前に、治療は終わってないけれど、もらえなくなった給料分だけ前倒しで払ってください、という交渉することもあります。
とにかく示談をする時は、本当にその内容で問題がないかどうかをしっかり調べて考え、不安があれば専門家にご相談されることをお勧めします。

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