石川テレビ 8ch

リフレッシュ法律相談室

7月の法律相談室

放送日:07月03日(金)

150703houritsu1スタジオに、法律のプロ「アディーレ法律事務所」 正木 裕美弁護士をお招きして、身近に起きる様々なトラブルについてお聞きしました。

 



ケース①「試供品を二つ持って行くと!?」
Q.化粧品店の試供品で「お一人様1個」と書かれていたにも関わらず、2個持って行った場合、罪になるのでしょうか?
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正解は…罪にならない

可能性は非常に低いですね。
まず、法律上、他人の財物を勝手に持って行くと「窃盗罪」という罪になります。
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「お一レンタル人様1個」ということは、2個以上持っていくことをお店は許しているわけではないので、無断で2個目を持ち出してしまうことが「窃盗罪」になるのではないかが問題となります。
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ただ、確かに形式的には窃盗罪になりそうですが、法定刑の10年以下の懲役又は50万円以下の罰金という「重い刑罰を与えられて当然」とはいえないような、財産的価値のないものにまで犯罪で処罰するのはいきすぎですよね?
なので、処罰に値するだけの違法性があるかが今回のポイントです。

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今回の試供品は一つ一つは無料であり、これに無理やり値段をつけるとしても、数十円ほどしかないでしょう。

また、誰でも持って行ける場所に、無造作かつ大量に置かれているものを、出来心でこっそり1個だけ多めに持って行ってしまうのも「よくあることだよね」という感覚をもつのが普通なのではないでしょうか。
 
そのため今回の場合、処罰を科して当然とまでいえませんので、処罰に値するだけの違法性がないとして罪とはならない可能性が高いでしょうね。
 



ケース②「旅行代金の後日請求」
Q.女性は旅行中に彼氏の浮気が原因でケンカ別れ。
女性は後日、その元カレから当時払ってくれた旅行代金を請求されました。
これって払わないといけないのでしょうか?

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正解は…払わなくてよい

女性は旅行代金の支払いについて、元カレに対して何の義務も負っていないからです。
この女性は、彼氏の浮気が原因で別れているのに、なぜ、旅行が台無しになった責任を取らなければいけないのか、納得がいかないということのようですが、そもそも今回は、別れた原因が彼氏の浮気であるということは関係がありません。
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彼氏は善意で、自分が旅行代金を支払うと約束したのですから、旅行代金について相談者はなんら責任を負っているわけではありません
したがって、彼と別れたからといって旅行代金を支払う必要はないのです。
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■もし、別れた原因が相談者の女性の浮気だったら?
同じですね。相談者が浮気しているのを知っていれば、彼は旅行代金を出さなかっただろうから、浮気を隠して旅行代金を出させたら、詐欺ではないのかと思われるかもしれません。

しかし、男女交際は自由ですから、婚約でもしていない限り、彼に浮気の事実を告知する義務はないというべきでしょう。
したがって、別れた原因が女性の浮気でも旅行代金を支払う必要はないのです。
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ケース③「レンタルDVDの延滞料」
Q.レンタルビデオ店で借りていたDVDの返却を忘れていた男性。
後日ナント!20万円の延滞料の請求が!
これって払わなきゃいけないのでしょうか?
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正解は…払わなくてよい

通常、返却が遅れた場合に一定の延滞料金が発生するということは、入会時の会員規約に載っているかと思います。
仮に載っていなくても、一定の期日に返却するという義務を果たしていませんから、損害賠償として延滞料金を支払わなくてはいけません。
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でも、借りたDVDの本数や延滞期間にもよりますが、いくらかの延滞料金を支払うこと自体は必要ですが、通常はここまでの延滞金は発生せず、請求どおり20万円という金額を支払う必要がないケースのほうが多いと思います。
   
■20万円が高いということですか?
延滞料金として、20万円が妥当であるかどうかは別問題です。
返却がされない場合に、延滞料金が無限にかかるような契約は、消費者契約法10条により「暴利行為」として無効だと考えられます。
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■ちなみに、レンタルビデオ店は電話をかけたりハガキを出したりしますよね?
そうです。継続的にDVDの返却を催促するのが通常です。
それを全くしないでおいて、延滞料が20万円もの金額になってから請求するというのは、消費者の利益を一方的に害することだと判断されるわけです。

延滞料金は、レンタルビデオ店がそのDVDを再度調達する際にかかる金額程度、あるいは、DVDの返還がされていれば得られたであろう利益の金額が上限とされるべきでしょう。
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