石川テレビ 8ch

リフレッシュ法律相談室

6月の法律相談室

放送日:06月19日(金)

150619houritsu1スタジオに、法律のプロ「アディーレ法律事務所」 正木 裕美弁護士をお招きして、身近に起きる様々なトラブルについてお聞きしました。
 



ケース①「譲ってもらったバッグなのに!?」
Q.友人からタダで譲ってもらったバッグ。
しかし後日、その友人が「返してほしい」と言ってきました。
とはいっても、一度もらったもの。返さなければいけないのでしょうか?

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正解は…返さなくてよい

あとで返せと言われましても困りますよね。
さて、法律ではプレゼントすることは、贈与契約(民法549条)という契約に該当します。
ご相談の件はおそらく通常書面は作成しないと思いますので、書面によらない贈与契約に該当します。
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この書面によらない贈与契約の場合ですが、当事者ともに契約の履行がなされていない限りは、自由に撤回することができるとされています(民法550条参照)。
簡単にいえば、物をあげるといっても、実際にあげていなければ後で「やっぱりや~めた」ということもできるということです。

今回は、確実にバッグをあげています。
ご友人は相談者の方に、カバンを渡したのが契約の履行にあたるので、原則として撤回することはできません。

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▽友人がプレゼントしたんじゃなくて、あくまで貸していた!と主張してきたら…?
もともとこのような場合、あげたのか貸したのかは微妙なケースが多く、相手方と「あげた、貸した」の争いになることは少なくありません。
このようなことにならないためにも、書面を作成しておくとよいでしょう。
 



ケース②「タクシーで追突されたのに!?」
Q.男性が乗っていたタクシーに車が後ろから突っ込んできました。
運転手は、男性を降ろした上に、運賃を請求。
これって払わなきゃいけないのでしょうか?
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正解は…払わなければいけない

タクシーとお客さんとの間には、「目的地までお客さんを運ぶ」をいう契約があり、運ぶことが出来なくなった時点で契約違反、法律的にいうと「債務不履行」となるため、運賃の支払いは不要に思われます。
しかし、今回の事故は信号待ちのところに突っ込まれたので、タクシーに過失がなくタクシーも被害者ということになります。
乗車場所から事故現場までは契約に則って運んでおり、その分の運賃は支払い義務があります。
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タクシー会社によっては、タクシー会社に非がないとしても、別のタクシーを呼んでくれて、目的地まで運んでくれることもあると思います。

乗り換えることによって発生した損害(時間の大幅なロス、予定に間に合わないなど)は、タクシーに突っ込んできた人に請求できる場合があります。
しかし、後部座席でも、シートベルトはしなければいけないので、シートベルトをしていなかったことによる怪我は、損害賠償が相殺されて減額になる可能性が高いですね。
特に、運転手から促された・自動音声が流れていたにも関わらずシートベルトをしていなかった場合はなおさらです。シートベルトはしておいたほうがよいでしょう。

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自転車の事故も増えているという事で、6月1日から、自転車での交通違反に対しての罰則が強化されました。
一時停止違反や傘を差しての運転、携帯をいじりながらの運転なども取締りの対象となり、3年以内に2回取締りの対象となると、「自転車運転者講習」というものを受けなければならなくなります。
車も自転車も歩行者も、みんなが注意してマナーを守りたいですね。 
 



ケース③「インターネット上の悪口を削除!?」
Q.インターネット上で男性(とよしげ)の根拠のない話が書き込まれて
嫌がらせを受けています。この書き込みって削除できますか?

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正解は…削除できる

おそらくネット上の掲示板に書き込まれているのだと思われますが、まずは、掲示板の管理者かサーバーの管理者に削除依頼をすることが必要です。
そのうえで、管理人等より掲示板に書き込んだ人のIPアドレス、その他の情報などを教えてもらい、プロバイダーに連絡して書き込んだ人の情報を開示請求していくことが必要となります(プロバイダー責任法4条)。
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管理人の判断で自主的に削除してくれればいいのですが、「表現の自由」「嫌がらせかどうかわからない」などといった理由で削除しない、書き込んだ人の情報も教えてくれないなど管理人に開き直られると難しいです。

▽では、もう泣き寝入りするしかないんですか?
この場合、掲示板の管理者等に掲示を削除するよう求める仮処分申請を裁判所に申し立てたり、損害賠償の裁判を起こしたりという方法もありますが…。
そもそも、掲示板の管理人自身は根拠のない話を書き込んだわけではありませんので、悪質な名誉棄損の書き込みがあることを知りながら放置したとか、書き込んだ人を特定できないような匿名システムを採用し、当事者同士の解決を不能にしているとかといった事情がない限り、なかなか損害賠償までは難しいかもしれません。

書き込んだ人に損害賠償は請求できないんですか?
とよしげは整形した、そして年齢詐称をしていると、いわれのないことを書き込まれたという場合、書き込んだ相手に対して、不法行為に基づく損害賠償を求められる場合が多いです(民法710条・709条)。
損害賠償請求の場合、相手方に故意・過失が必要になってきます(民法710条・709条)。
ただ、人の名誉を傷つける書き込みをしておいて故意も過失もないということは通常は考えられないでしょう。
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