日本遺産“北前船”の世界
江戸から明治にかけて、日本海側を中心に活発に行き交った商船「北前船」。
2017年4月には加賀市、2018年5月には小松市と輪島市で、
北前船の文化が日本遺産に認定されました。
加賀橋立と小松市の安宅を訪れ、当時の歴史を肌で感じてきました。
加賀橋立は北前船の船主集落として栄えた場所。
最盛期には40人以上の船主が居住していました。
この規模の居住の集落は全国的にも珍しいそうですよ。
当時、大豪邸の屋敷もずらり!
現在、「北前船の里資料館」となっている建物も、もともと船主の屋敷でした。
ニシンの肥料やコメなどを中心に運んでいた北前船。
大きな船主で6~7隻近い数の船を持ち、
多い時で年商10億近い稼ぎがありました。
しかし海難も多く、まったく稼ぎが無い年も。
困難な荒波を乗り越えて、稼ぎを生み出していたんです。
町をそめる赤瓦の屋根や石垣も、各地から伝わったものなんです。
茅葺が多かった時代に、赤瓦は目を引く存在でした。
★北前船の里資料館(北前船主 酒谷邸)
石川県加賀市橋立町イ乙1-1
0761-75-1250
午前9時~午後5時 年中無休
入館料:一般310円、高校生以下 無料
そして2018年5月に日本遺産に追加認定された小松市の安宅の文化。
梯川の河口に船主たちが住み、
川で運ばれた物資を北前船へと積み込みました。
明治中期以降、汽船の往来ととともに北前船の需要が減る中、
華やかな北前船の文化を残そうと「安宅まつり」の曳船が作られ、
毎年9月に開催しています。
料亭の中の離れなど、もともと船主屋敷だった建物の名残も。
これからの保存・管理が課題です。
★安宅まつり
9月7~9日 安宅住吉神社一円にて開催
曳船巡行は8日・9日
※安宅公園にて、明治から昭和に使用の曳船を展示中
★長沖(北前船主の離れ「金剛」)
石川県小松市安宅町タ-14
0761-22-3838