石川近代文学館特別展 「西のぼる 画業三十周年記念ー文学の絵展」に
行きました。
その日は、挿絵画家、西のぼるさんと、西さんが挿絵を描いている時代小説の作家、山本一力さんの対談があるというので出かけたのです。
丁度、山本一力さん作の「かんじき飛脚」を読んだばかりで、その小説は、加賀と江戸を5日から7日で駆けるという飛脚16人が、国許から江戸まで病の特効薬を運ぶ命を受け、雪山を越え親知らず子知らずの荒波を走り抜け、
さらに、行く手を阻む刺客と闘うという息もつかせぬ時代小説で、調べつくした時代考証は驚くべきもので読み始めからぐいぐい惹きこまれてしまいました。
一方、西さんは独学で、日本を代表する時代小説の挿絵画家になり、生まれ育った石川に住みながら創作を続け、多くの有名作家とコンビを組んで素晴らしい作品を描き続けている方です。
そんな二人のビッグ対談は、挿絵画家になる経緯や二人の出会いや二人を取り巻く文壇の人たちの話など楽しいものでした。
50分間のミニ対談でしたが、素晴らしい時間を過ごさせて頂きました。
対談終了後、展示会場を見て回った私は、西さんの足跡や作品の数々を目の当たりにして、改めて西さんの偉大さを感じながら一点一点、ゆっくり見ていたら
閉館間際になってしまい、
私以外の入場者は誰もいなくなり、やがて・・・・、
山本一力さんのよくとおる響きのある声が
遠くから近づいてきたのです。
サイン会を終えて展示会場に来られるんだ・・・、急いで出ようか・・・、いや自然にしていよう!と思ってその場にいたら、
山本さんと一緒にに入ってきた西さんが、すぐ私に気づいて、「今日はありがとうございます。」とおっしゃった後、山本さんに紹介して下さり、
山本一力さんが、あのいかつい顔で微笑みながら私に近づかれたのですが、
突然のことに山本さんの御顔を目の前にして、
「かんじき飛脚」をどんなに面白く拝読したかを瞬時に伝えなければ、と思いながら、結局、訳のわからないことを口走ってしまったのです。
「かんじき飛脚の話をもっと聞きたかったのですが・・・残念です・・・。
50分間じゃ・・無理ですよね・・。ブツブツ・・・。」とかなんとか・・・。
言いながら私は何言ってんだと思って、さらに訳わからないフォローをして・・・。
仕事なら、どんな人の前でも自分の人格変わったのかと思うくらい冷静でいられるのに、プライベートになるとファンだったり、感動を受けていたりするほど上手く伝えられなくなってしまう。
帰り道、かなり落ち込んでいたのですが、
しかし、読んだばかりのそれも作品の凄さに圧倒された作家と
目の前で話す偶然に恵まれる幸運に感謝しました。
今度、もし山本一力さんにお会いできるようなことがあれば、きちんと思いを伝えよう!!