放送日:2017年12月16日

間垣の里の冬支度

石川県輪島市大沢町と上大沢町は、竹の囲い『間垣』で

日本海から吹きつける強い風から家々を守っています。

二つの集落は「間垣の里」と呼ばれ、国の重要文化的景観にも選ばれています。

 

毎年、秋が深まると間垣を修繕します。

間垣の材料となるニガタケを山から切り出し、

10本ほど間隔を空けて新しい竹をさしていきます。

そうして、毎年手入れをすれば、間垣は30年から50年は風に耐えてくれます。

集落の内、上大沢町では毎年11月23日に集落の人々が共同で

間垣を修理する仲間仕事が行われます。

神社や公園など公共の場所の間垣を皆で修繕し、

午後からは新嘗祭と大祓いが行われ、冬の準備が整います。

 

昭和の半ばまで「能登半島、最後の秘境」と呼ばれた集落では、

協力し合いながら厳しい冬を乗り越えてきました。

「集落は大きな家族」という上大沢町の冬支度を紹介します。

放送日:2017年12月9日

金沢彩る 三絃師

加賀百万石の城下町、金沢では、

藩政時代の茶屋街が今も残り、芸どころとして全国に知られています。

そんな街を支える一人が、三味線を作る職人・三絃師の岡部将英さん(42歳)。

140年の歴史を持つ北陸唯一の三絃師の店「福嶋三絃店」の5代目です。

 

もともと岡部さんは東京生まれで、都内で会社勤めをしていました。

しかし、先代の娘さんとの結婚を機にこの世界に入ることを決意します。

三味線は精工で緻密な楽器で、一丁作るのに1か月、年間で十数丁しか作れません。

しかも、熟練の技と経験が頼りとなります。

厳しい職人の世界ですが、岡部さんの仕事ぶりは茶屋街でも高く評価されています。

 

三味線は金沢の花街を彩る大切な音。

伝統と風情ある金沢を三絃師として支えていきたい・・・。

そんな岡部さんの思いを伝えます。

放送日:2017年12月2日

山里に人を呼ぶ 鳥越のそば

山が赤く色づくころ。

白山の麓はいつにないにぎわいを見せます。

お目当ては、鳥越産の新そば。

11月半ばの解禁日には県内外から多くの人が、そば目当てに集まります。

 

石川県白山市鳥越地区は、山に囲まれ1日の寒暖の差が激しく、

土壌は水はけのよい火山灰。

甘みが強く香り高いそばが採れ、石川県で1番の生産高を誇ります。

 

この山里では生産者や職人、主婦など、

1つとなってそばの里を作り上げていました。

放送日:2017年11月25日

歴史をつなぐ 能楽師 松田若子

加賀百万石の城下町金沢は、加賀藩前田家が能を手厚く保護したことから

「空から謡が降ってくる」と言われるほど能が盛んです。

特に前田家が宝生流をたしなんだことから、流派の中でも宝生流が盛んで

この地域の能は加賀宝生と呼ばれます。

 

そんな土地でシテ方の家に生まれ、女流能楽師として活躍するのが松田若子さん。

およそ650年の歴史がある伝統芸能をつなぐことを喜びと捉え

日々、精進しています。

 

今回は世阿弥が生んだとされる夢幻能の傑作「井筒」の舞台を通して、

松田さんの能への思いを伝えます。

放送日:2017年11月18日

“今”を形に 大樋焼 大樋陶冶斎

この秋、シリーズで紹介してきた「石川の巨匠たち」

最終回は文化勲章の受章者、陶芸家の大樋陶冶斎さん(90歳)に迫ります。

 

藩政時代に加賀百万石の金沢で、茶の湯の道具として誕生した「大樋焼」

手とヘラだけで作る素朴な形と、ねっとりとした飴色が特徴です。

大樋さんは十代長左衛門として、350年の伝統を受け継ぐとともに

前衛的なデザインにも挑み、これまでにない器を多く生み出してきました。

そこには、時代を読み、変化し続けることで

大樋焼を次の世代に繋いで来た先人たちへの思いがありました。

「今、生きている証として何をするべきか」

そう自問自答しながら、器づくりに向き合う90歳の姿を追いました。