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三橋のスパイク ~1秒間のドラマ~

稲垣 真一


「三橋のスパイク!!」

 

 

「三橋のスパイク!」

 

1秒足らずの間を置き、繰り返す。

 

「三橋選手はリハビリを経て一年半ぶりにコートに戻ってきたんですけど、
今季スパイクで初得点ですね」

 

解説を務めるPFU元主将・坂下麻衣子がコメントを絞り出す。
この「1秒足らず」の間に、何があったのか。

 

きょうはこんなスポーツノンフィクションぽい感じで書いてみます(^.^;)

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先週土曜日に金沢で行われた
「PFUブルーキャッツ 対 JTマーヴェラス」の」一戦。

 

バレーボール・V LEAGUEとバスケットボール・B LEAGUEが
史上初めて「同じ日に同じ会場で開催される」という記念すべき一日に
会場は大勢の観客が詰めかけ、大いに盛り上がった。

 

地元の大声援を受け、迎えた第二セット。
20-18と2点を追いかける場面でコートに入ったのは、三橋聡恵選手。
股関節の故障で、この一年半コートから遠ざかり、
今季開幕戦でリリーフサーバーとして涙の復活を遂げた、元エース&キャプテン。

 

先の見えないリハビリ、何度もよぎる「引退」の二文字。
そんな中でも彼女はいつも明るく、
誰よりも大きな声でチームメイトを応援し続けた。

 

そんな三橋選手が、去年の準優勝チーム・JTマーヴェラスとの一戦、
どうしても追いつきたい勝負どころで投入される。

 

チームメイト、スタッフ、応援団…支えてくれた全ての人の
祈りが込められたトスを決めるため、渾身の力で右腕を振り切る。

 

決まった。

 

「三橋のスパイク!!」

 

叫びながら、隣の坂下さんを見る。
苦労をずっと間近で見ていた、坂下さんのコメントが欲しかった。

 

……坂下さんは右手で口を押さえ、涙を必死にこらえていた。

 

それは、あふれ出す感情をセーブし、
解説者としての自分を取り戻そうとしている姿のように見えた。

 

だから、あくまで「解説者」として。
でも三橋選手へのありったけの思いを込めて、一言コメントしてほしい。

 

ひと間置いて、同じ言葉を繰り返した。

 

「三橋のスパイク!」

 

「三橋選手はリハビリを経て一年半ぶりにコートに戻ってきたんですけど、
今季スパイクで初得点ですね」

 

冷静かつ簡潔なコメント。
しかしその言葉には確かに、
「おめでとう、ここまでよく頑張ったね」という
坂下さんのねぎらいのメッセージが込められていた…

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「1秒足らず」の間にこんなドラマがあったんですわ…と思い書き始めたのですが、
あんまりキャラにないことはするものじゃないですね、
恥ずかしくなってきました… 😳

 

ちなみに現在、PFUブルーキャッツは0勝7敗。
今季トップリーグに昇格後、その厚い壁を超えることができていません。

 

ただ、選手たちは前を向いて、
初勝利目指して必死に練習を重ねています。

 

バレーボールは、プレーのスピード感や
ボールをコートに落としてはいけないという競技の特性上、
数あるチームスポーツの中でも特にチームの一体感が必要とされます。

 

選手寮で寝食を共にし、家族のように過ごす中で培われる、文字通りの「絆」。
PFUのスローガン「繋(つなぐ)」を体現したような今回のエピソードに、
改めてバレーボールの素晴らしさ、美しさを感じた今回のホームゲームでした。

 

◎PFUブルーキャッツ 今後のホームゲーム
1月19日(土) いしかわ総合スポーツセンター vs デンソーエアリービーズ
1月20日(日) いしかわ総合スポーツセンター vs 岡山シーガルズ
2月 2日(土) いしかわ総合スポーツセンター vs   埼玉上尾メディックス

 

生で観戦すると、国内最高峰リーグの迫力とともに、
バレーボールの面白さを必ず感じてもらえるはず。
お時間がありましたら、ぜひ足をお運びください!

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